
パッケージエアコンとは?
種類や選び方などを詳しく解説
快適な空間づくりに欠かせない空調設備。その中でもオフィスや商業施設、宿泊施設や工場など、さまざまな場所で広く使われているのが「業務用エアコン」です。業務用エアコンの一種である「パッケージエアコン」は、中規模から大規模な空間に適した空調設備として、多くの現場で採用されています。
本コラムでは、パッケージエアコンの基本的な仕組みから、選ぶ際のポイント、寿命や入れ替えのタイミングまでを詳しく解説します。空調設備の導入や更新をご検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください!
1. パッケージエアコンとは
パッケージエアコンは、1つの室外機から複数の室内機を同時に稼働できる業務用エアコンです。パッケージという言葉には梱包・荷造り以外に「ひとまとめにする」という意味があり、パッケージエアコンは室外機から室内機へ一括して電気を供給することから、その呼び名が付けられています。
家庭用のルームエアコンは室外機と室内機が1対1でつながれている一方で、業務用のパッケージエアコンは1台の室外機に対して同じ型・同じ能力の室内機を複数台取り付けることができます。電源のオンオフ、温度の調整は室外機1台を操作すれば完了できるため、広い部屋や複数の部屋を同時に冷やしたり暖めたりするのが得意です。一括操作が便利なパッケージエアコンですが、電源を入れるとすべての室内機が稼働してしまうため、部屋ごとに温度調節できないデメリットがあります。このデメリットを解消したものが、マルチエアコンと呼ばれるタイプの業務用エアコンです。
マルチエアコンは1台の室外機に対して複数台の室内機を接続するところはパッケージエアコンと同じですが、電源の供給方法が異なります。マルチエアコンの場合は室外機と室内機が別々の電源になっているため、部屋ごとに電源のオンオフを切り替えたり温度を調節したりすることが可能で、主にビルで導入されることからビル用マルチエアコン(ビルマル)とも呼ばれています。
2. パッケージエアコンの種類
ひとえにパッケージエアコンと言っても、店舗・オフィス用、ビル用、設備用、ルーフトップ型と、4つのタイプがあり、さらに室内機にはその形によって8種類の形状に分かれています。どのような種類があるのか、一覧にまとめてみました。
● パッケージエアコンの種類
種類 | 特徴 |
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店舗・オフィス用 | 一般的な家庭用エアコンと同じく室外機と室内機が一対になっているタイプ。主に飲食店や理容美容室、病院や商業施設、オフィスなど小~中規模の建物に設置されます。 |
ビル用 | 業務用マルチエアコンのこと。室内面積の広い中・大規模な建物への設置を想定し、店舗・オフィス用よりも高い馬力になります。一般的にビル用マルチ、ビルマルの通称で呼ばれています。 |
設備用 | 主に工場や倉庫、施設などの広い空間かつ特殊な現場で使用。室外機と室内機が一対になっていて、空冷式と水冷式があります。 工場の生産ライン向けに対人空調に特化したものや、サーバー室用、クリーンルーム用など、設置する現場の環境に合わせて様々なタイプがあります。 |
ルーフトップ型 | 室外機と室内機が一体型になっていて建物の屋上に設置します。給排気はダクトを通して行うため、内装のレイアウト自由度が高いです。天井が高くて広い空間の施設や設備への設置に向いています。 |
● パッケージエアコンの形状
形状 | 特徴 |
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![]() カセット形 (天カセ) 4方向 |
パッケージエアコンの中で一番汎用性が高く、広く導入されている形。吹出口が4方向にある正方形で、天井に張り付いたように取り付けます。 |
![]() カセット形 (天カセ) 2方向 |
2方向に吹き出す長方形タイプの天カセ。照明のラインに平行して設置できるので、廊下や会議室など、細長い空間でよく採用されています。 |
![]() カセット形 (天カセ) 1方向 |
1方向に吹き出す長方形タイプの天カセ。細長い形状を活かして、壁面に近い天井のコーナーにも設置できます。 |
![]() (天吊形) |
天井から吊り下げるタイプのパッケージエアコン。主に体育館や学校、飲食店で採用されています。 |
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家庭用エアコンのような見た目。ただし電力の供給方法が家庭用とは異なるため、家庭用と比較すると冷暖房能力は格段に高くなっています。 |
![]() |
他のタイプよりも設置しやすく、床に近い部分に吹出があるため涼しさ・暖かさを伝えやすい傾向にあります。 |
![]() ビルトイン形 |
天カセと同じく天井に埋め込むタイプ。吹出口を本体から離れた位置にダクトでつなぎます。ダクト形と違い、吸込口は本体下にあります。 |
![]() ダクト形 |
天カセと同じく天井に埋め込むタイプ。ビルトイン形と見た目はほぼ同じですが、吹出口だけでなく吸出口もダクトによりさまざまな位置に付けられます。 |
3. パッケージエアコンの選び方
パッケージエアコンの種類や形状をご覧いただくとわかるように、家庭用エアコンと違い、業務用エアコンは単純に部屋の広さだけで選ぶことはできません。業務用エアコンの選定には、建物の種類や構造、用途やその空間の発熱量などによって必要な冷暖房能力も変わるため、家庭用エアコンのように「○畳用」といった単位ではなく、「馬力」というエアコンの空調能力の強さを表す単位が重要になります。
必要以上の馬力があるエアコンを導入してしまうと、より早く室内の空調を整えることはできるかもしれませんが、電気効率が悪くなりムダに電気を使ってしまいます。反対に、馬力が足りないエアコンを導入してしまうと、常に最大出力で稼働させないといけなくなるため、電気代がかさんでしまう可能性があります。
別コラム 業務用エアコン選びは空調能力(馬力)をチェック! で、業種や空間・設置場所に合わせた馬力の目安をまとめていますので、ご参考にしてみてください。
4. パッケージエアコンの耐用年数と寿命サイン
一般的にパッケージエアコンの耐用年数は6~15年ほどと言われています。しかし、以下のような使い方や環境によっては、耐用年数よりも早く寿命を迎える可能性があります。
- 頻繁に稼働と停止を繰り返している
- 24時間運転のように長時間の稼働が多い
- 温度や湿度変化の激しい環境で使用している
- 塩害や硫化ガスが発生する地域で使用している
業務用エアコンの交換時期は約10~15年が推奨されていますが、前述のように稼働時間や設置環境によっては思っているより早く老朽化が進むこともありますので、エアコンの状態によっては早めの交換が必要です。


使用中のエアコンに寿命サインが出ている場合には、早めの入れ替えを検討しましょう。「まだ大丈夫」と思ってそのまま使い続けていると、突然故障し動かなくなる可能性があります。エアコンが故障して温度調整ができなくなると、暑い・寒い状態が続いてエアコンの修理または交換ができるまで営業できなくなってしまうこともあり得ます。エアコンの効きが悪い、エラー表示が頻繁に出るなどの異常を感じたら、早めに対応することが大切です。
5. パッケージエアコンの新設・入れ替えはネクシーズZEROにおまかせ!
「ネクシーズZERO」では、お客様のご要望に合わせた最適なパッケージエアコンをご提案できるよう、以下の主要メーカー商品を取り扱っています。
● 取り扱いメーカー
SHARP(シャープ) / DAIKIN(ダイキン) / TOSHIBA(東芝) / Panasonic(パナソニック) / HITACHI(日立) / 三菱重工 / MITSUBISHI ELECTRIC(三菱電機)
無料の導入シミュレーションを日本全国で行っておりますので、空調設備でお困りのことがありましたら、お気軽にネクシーズへお問い合わせください!