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空調設備の見直しで職場の熱中症対策を強化
空調設備

空調設備の見直しで
職場の熱中症対策を強化

投稿: 2025年6月30日 最終更新: 2025年6月30日

近年、夏の猛暑が当たり前になり、気温が35度を超える日も珍しくなくなってきました。年々暑さが厳しくなっていることもあり、職場での熱中症による死傷者は増加の一途をたどっています。

職場における熱中症による死傷者の推移 職場における熱中症による死傷者の推移

厳しい暑さの中で働く従業員の健康と安全を守るためには、熱中症対策が欠かせません。特に工場や倉庫、厨房など空調が効きにくい職場では、労働環境そのものの見直しが必要とされています。2025年には労働安全衛生規則が改正・施行され、事業者に対する責務が一層強調されるようになりました。
空調設備の見直しは、単に快適性の向上を目指すだけでなく、法律の順守と従業員の命を守るための重要な施策です。本コラムでは、空調設備の見直しがなぜ重要なのか、また導入や改善時に何を基準に考えるべきかを解説します。

1. 労働安全衛生規則の改正・施行

2025年6月1日から厚生労働省により「労働安全衛生規則」が改正・施行されたことで、職場環境の熱中症対策が義務付けられました。この改正により、特に高温環境下で作業を行う労働者に対し、より具体的な対策を講じることが求められています。もし「労働安全衛生規則」を遵守せず対策を怠った場合、違反した者には6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科され(法119条1号)、法人に対しても50万円以下の罰金が科されます(法122条)。
改正された規則では、以下のような点が新たに明記されました。

  • ● 作業場所のWBGT(湿球黒球温度)の計測義務化
  • ● 一定のWBGT値を超える場合には、休憩や水分補給の時間確保が必須
  • ● 熱中症リスクの高い作業では、作業時間の短縮やローテーションの導入
  • ● 必要に応じて空調設備(冷房機器)の導入や増設
熱中症対策義務化の対象となる作業環境 熱中症対策義務化の対象となる作業環境移

このような背景から、従来の “扇風機で風を送れば良い“ といった簡易的な方法では対応が難しくなってきています。法律を守るためにも、そして何より労働者の健康と命を守るためにも、空調設備の根本的な見直しが必要なのです。
特に製造業や物流業、飲食業など、屋内外問わず高温環境での作業が発生する職場では、空調設備の見直しが必要不可欠です。

2. エアコン選びは作業環境に合わせて考える

熱中症対策のために空調設備を見直す際、最も重要なポイントの一つがエアコンの選定です。ただ単に「冷えるかどうか」ではなく、職場の環境に適した機種や性能を選ぶことが、安全性と快適性の両立につながります。特に業務用の現場では、家庭用エアコンと同じ感覚で導入してしまうと、想定した冷却効果が得られず、結果として従業員の体調不良や機器の故障につながる可能性もあります。

空調機器の選定には、以下のような観点が重要です。

● 作業環境の広さや天井の高さ

天井が高く広い工場や倉庫などでは、冷気が上部にたまりやすく、地表レベルの気温が下がらないことがあります。こうした場所には、天井埋込形やダクト形の業務用エアコンが適しており、空間全体に冷気を行き渡らせるための風向制御機能も重要です。

● 熱源の有無

製造機械や照明機器が多く稼働している現場では、それ自体が強い熱を発するため、冷房の効果が相殺されてしまいます。このような場合、空調能力を補助するために、スポットクーラーや冷風扇などを併用し、熱源に近いエリアを重点的に冷却する対策が効果的です。
また、厨房の場合も熱源が多いことから特に夏場は暑くなりがちです。作る料理によっては油煙がたくさん出るため、油や錆に強いステンレス素材が採用されている専用の厨房用エアコンを設置しましょう。

● 人の動きや配置

例えば、一定の場所で作業する人が多い場合には、その周辺に冷気が届くよう風向きの調整ができる機種が適しています。一方、倉庫内を頻繁に移動する作業員が多い場合には、複数台の空調機器を設置し、冷気が途切れず流れるレイアウトを工夫することが求められます。
空調機器は「とりあえず冷えるもの」ではなく、作業環境を総合的に判断して設置するものです。エアコン選びにおいては、専門業者による現地調査を行い、環境に最適な機種と配置を提案してもらうことが、熱中症リスクを本質的に下げるための第一歩です。

3. 馬力が適切かどうかを確認

業務用エアコンを導入する際には、設置場所に対して「冷房能力(馬力)が適切か」を必ず確認しましょう。もしかすると現在使用しているエアコンが適切な馬力ではないケースも考えられます。
馬力の目安としては、以下のような基準があります。

● 倉庫・工場・作業向け

馬力の目安 1.5 馬力 2.0 馬力 2.5 馬力 3.0 馬力 4.0 馬力 5.0 馬力
m2で選ぶ 17~26 m2 22~32 m2 27~41 m2 35~52 m2 49~72 m2 61~91 m2
で選ぶ 5~8 7~10 8~12 11~16 15~22 18~27
馬力の目安 m2で選ぶ で選ぶ
1.5 馬力 17~26 m2 5~8
2.0 馬力 22~32 m2 7~10
2.5 馬力 27~41 m2 8~12
3.0 馬力 35~52 m2 11~16
4.0 馬力 49~72 m2 15~22
5.0 馬力 61~91 m2 18~27

必要以上の馬力があるエアコンを使用すると、より早く作業環境の空調を整えることはできますが、その分電気効率が悪くなり、無駄に電気を使ってしまいます。反対に、馬力が足りないエアコンでは、常に最大出力で稼働させないと理想の室温を保つことができないため、電気代がかさんでしまう可能性があります。
業務用エアコンの選定では、専門業者による現地調査とシミュレーションが非常に重要です。施工実績が豊富な空調設備業者に相談し、適切な馬力・機種を選定することで、効果的な冷房とランニングコストのバランスが取れた運用が可能になります。

4. 業務用エアコンの導入はネクシーズZEROにおまかせ!

職場での熱中症対策は、従業員の命を守るだけでなく、生産性の維持や企業としての社会的責任にも直結する重大な課題です。2025年の労働安全衛生規則の改正をきっかけに、法令順守の視点でも空調設備の見直しが必須となりました。
業務用のエアコン選びは、単にスペックの高いものを導入すれば良いわけではありません。作業環境に合った機種を選び、馬力の計算も正確に行い、必要に応じてスポットクーラーや換気装置との併用も検討する必要があります。
「まだ大丈夫」「昨年もこれで乗り切ったから」といった感覚的な判断では、命を守ることはできません。この機会にぜひ、職場の空調設備を根本から見直してみてはいかがでしょうか。
従業員にとって快適で安全な作業環境を提供することは、企業の信頼を高め、長期的には業績向上にもつながるはずです。

「ネクシーズZERO」なら初期投資0円!商品代・工事代を含む月額サービス料のお支払いのみで業務用エアコンを導入できます。期間中は安心の保証付き、期間満了後はそのままお客様のものになるため返却は不要です。

無料の現地調査・導入シミュレーション日本全国で行っておりますので、熱中症対策として空調設備の見直しをお考えでしたら、お気軽にお問い合わせください!

監修・執筆
株式会社NEXYZ. 業務本部
株式会社(株)NEXYZ. 業務本部

最新の業務用設備を導入できる「ネクシーズZERO」サービスを販売しています。このコラムでは、業務用設備に関するさまざまな情報を発信していきます。

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