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コンプレッサの仕組みと用途を解説
コンプレッサ

コンプレッサの仕組みと用途を解説

投稿: 2024年10月31日 最終更新: 2024年10月31日

コンプレッサ(圧縮機)は、圧縮した空気の噴き出す力や膨張しようとする力を利用してモノを動かしたり回転させたり、もしくはホコリを吹き飛ばしたりと、工場や建設業などさまざまな場所や用途で使用されています。このコラムでは、現代社会において欠かせない動力源となっているコンプレッサの基本的な仕組みや種類、用途、選定ポイントについて解説します。

1. コンプレッサとは

コンプレッサは、空気やガスなどの気体を圧縮して、圧縮空気を生み出す空気機械です。空気機械は一般的に圧縮範囲によって分類され、通常0.1Mpa以上に圧縮できるものがコンプレッサと呼ばれます。

名称 吐出圧力
ファン(送風機) 10kPa未満
ブロア 10kPa~0.1MPa未満
コンプレッサ 0.1MPa以上

コンプレッサの原理は、「自転車の空気入れ」に例えるとわかりやすいです。
空気入れは、レバーを引き上げると空気を吸い込み、そのレバーを下げると吸い込んだ空気が押し出されてホースから空気が流れ出ます。空気入れを自転車のタイヤにつなげて何回かレバーを上下させると、回数を重ねるごとにレバーが固くなっていきますが、これはレバー自体が固くなったのではありません。タイヤに空気が溜まっていくことで押し出される空気の出口がなくなり、元に戻ろうとする空気の力でレバーが固くなったような状態になったものです。固くなったレバーをグッと下げると空気の圧力が上がり、空気が元に戻ろうとするエネルギーが蓄えられているこの状態を「圧縮」といいます。
空気が圧縮されたタイヤから空気入れのホースを外すと、「プシュッ!」と空気が抜ける強い音がしますが、この時に放出した空気のことを圧縮空気と呼びます。コンプレッサは電気を使って連続的にこの圧縮空気を作り出し、さまざまな空圧機器(エアツール)を稼働させるための動力源として使用される機械です。

コンプレッサとは コンプレッサとは

2. コンプレッサの種類と分類

コンプレッサにはさまざまな種類や分類が存在します。たとえば圧縮方式で見ると、大きく分けて容積形とターボ形の二つに分類できます。

●容積型

一定空間に閉じ込めた気体の容積を外力によって縮めることで圧力を上昇させる方式。 往復式と回転式があり、そこからさらに圧縮原理によって細かく分類されます。

●ターボ型

翼やインペラ(羽根車)の回転によって気体に流速を与え、これを減速させることで圧力を上昇させる方式。遠心式・軸流式・斜流式があります。

コンプレッサの種類と分類 コンプレッサの種類と分類

容積型の中でも代表的なコンプレッサの種類として、レシプロ式・スクロール式・スクリュー式の三つが挙げられます。それぞれの圧縮原理と特徴は、以下の表をご参照ください。

種類 圧縮原理 特徴
レシプロ式 ピストンがシリンダー内で往復運動し、空気を吸い込み圧縮することで高圧の空気を作り出します。
  • 小型から中型の機器向け
  • 比較的コストが安価
  • 断続的な運転や小規模用途に適する
スクロール式 固定された渦巻きと回転する渦巻きが重なり、空気を中央に圧縮しながら送り込むことで、高圧の空気を作り出します。
  • 摩擦が少なく静音性に優れる
  • 構造がシンプルでエネルギー効率が高い
  • 長時間の連続運転には不向き
スクリュー式 2つの回転するスクリュー(ねじ)が噛み合いながら空気を閉じ込め、回転によって空気を徐々に圧縮し、高圧の空気を生成します。
  • 低振動・低騒音
  • 長時間の連続運転が可能
  • 工場エアとして最も普及しているタイプ
種類 レシプロ式
圧縮原理 ピストンがシリンダー内で往復運動し、空気を吸い込み圧縮することで高圧の空気を作り出します。
特徴
  • 小型から中型の機器向け
  • 比較的コストが安価
  • 断続的な運転や小規模用途に適する
種類 スクロール式
圧縮原理 固定された渦巻きと回転する渦巻きが重なり、空気を中央に圧縮しながら送り込むことで、高圧の空気を作り出します。
特徴
  • 摩擦が少なく静音性に優れる
  • 構造がシンプルでエネルギー効率が高い
  • 長時間の連続運転には不向き
種類 スクリュー式
圧縮原理 2つの回転するスクリュー(ねじ)が噛み合いながら空気を閉じ込め、回転によって空気を徐々に圧縮し、高圧の空気を生成します。
特徴
  • 低振動・低騒音
  • 長時間の連続運転が可能
  • 工場エアとして最も普及しているタイプ

3. コンプレッサの用途

コンプレッサにはいろいろな種類・分類があることを説明しましたが、その用途もまた多岐にわたります。次はコンプレッサが活用されている代表的な業界と具体的な使用例について簡単にご紹介します。

コンプレッサの用途

●自動車整備

自動車整備の現場において、コンプレッサはさまざまなエアツールを動かすために欠かせません。たとえば、タイヤ交換に使われるエアインパクトレンチや、車体の塗装に使用されるエアスプレーガンなど、多くの作業がコンプレッサの圧縮空気を動力源としています。また、タイヤの空気圧調整にもコンプレッサが活躍します。

●建設業

建設現場では、強力なエアツールが必要とされるため、コンプレッサは欠かせない存在です。たとえば、削岩機(エアハンマー)やエアドリル、コンクリート打設に使用されるエアツールを動かすために、コンプレッサが必要となります。大規模な建設現場では長時間の使用が必要なため、スクリュー式コンプレッサなど、連続運転に強いタイプが使われることが多いです。

●工場・製造業

工場では、生産ラインの自動化にコンプレッサが不可欠です。圧縮空気は、ロボットアームや自動組立機、搬送システムなどの動力源として利用されます。また、食品加工、飲料製造、電子機器の組立など、多様な製造プロセスでクリーンな圧縮空気が必要とされる場面も多く、コンプレッサは製造の中心的な役割を果たしています。

●空調・冷凍システム

ビルや商業施設の空調システム、冷蔵設備では、冷媒の圧縮にコンプレッサが使用されています。エアコンや大型冷蔵庫などで冷暖房や冷凍を行うために必要な圧縮を効率よく行うため、ターボ式コンプレッサやスクリュー式コンプレッサが活躍します。

●医療分野

病院や歯科医院では、医療用コンプレッサが使われ、クリーンで乾燥した圧縮空気を供給しています。特に手術室や医療機器の操作、歯科治療に必要なエアツールにコンプレッサは欠かせません。

4. コスト削減にもつながるコンプレッサの選定ポイント

いろいろな業務に欠かせないコンプレッサですが、消費する電力量は意外と多く、たとえば工場においては全体の消費電力のうち約20~25%をコンプレッサが占めていると言われています。そのため、使用用途に合わせた機能や性能を選ぶことはもちろんですが、インバータ制御が搭載されているかどうかも、コンプレッサの大事な選定ポイントです。

コスト削減にもつながるコンプレッサの選定ポイント コスト削減にもつながるコンプレッサの選定ポイント

インバータ制御は、一般的に回転式コンプレッサに搭載されています。必要な空気量に応じてモーターの回転速度を自動制御し省エネ化を図ることで、インバータ制御が搭載されていない機種に比べて最大50%の電気代削減が可能です。調子が悪いまま使用していたり、インバータ制御が未搭載のコンプレッサを使用していたりする場合、インバータ制御搭載の最新機種に更新することで、業務効率・コスト削減の改善が期待できます。

5. コンプレッサの導入は「ネクシーズZERO」におまかせ!

設備導入支援サービス「ネクシーズZERO」では、屋内・屋外どちらにも対応した最新モデルやインバータ制御搭載のコンプレッサを取り扱いしています。製品ラインナップの中から、設置環境や作業用途に合わせたモデルをお選びいただけます。

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