
室外機の遮熱対策はお済みですか?
エアコンをフル稼働させる夏本番になると、「冷房の効きが悪い」「電気代が高い」といった声をよく耳にします。実はその原因のひとつが、室外機の過熱にあることをご存じでしょうか?エアコンは室内の熱を冷媒にのせて室外機から放出していますが、炎天下にさらされた室外機は、直射日光や日差しの照り返しで高温状態になりやすく、冷房性能が落ちてしまいます。
室外機の高温状態が続くと、設定温度に達するまでにより多くの電力を消費するようになり、結果として電気消費量が増加します。さらに、コンプレッサへの負荷も増大し、エアコン本体の寿命を縮めるリスクも否めません。室外機が高温にさらされる夏場は、まさに冷房運転にとって最も過酷な季節。だからこそ、「遮熱対策」が重要になってきます。
本コラムでは、室外機の遮熱対策の必要性、遮熱・断熱塗料による対策方法や実際の導入事例をご紹介します。効率的な冷房運転とコスト削減、そして設備の長寿命化を実現するために、今こそ一歩踏み込んだ空調設備の暑さ対策を始めてみませんか?
1. 室外機の遮熱対策はなぜ必要なのか
エアコンの室外機は、屋外に設置されているため直射日光や外気の熱をまともに受けています。特に夏場はアスファルトやコンクリートからの照り返し、建物の輻射熱などが加わり、室外機周辺の温度は想像以上に高温になります。エアコンの冷房効率は、室外機の放熱性能に大きく依存しているため、一般的に室外機の周囲温度が高くなるほど冷房の効きが悪くなり、消費電力が増えて電気代が上昇するという悪循環に陥ります。


さらに、室外機内部のコンプレッサは高温に弱く、過度な熱が加わると負荷が増大し、故障や寿命の短縮につながるリスクが高まります。冷房をフル稼働させる真夏こそ、室外機が最も過酷な環境にさらされることから、遮熱対策をしっかり行い、適切な温度環境を保つことが重要です。
2. 室外機が熱を持つとどうなる?
エアコンの室外機は、冷媒ガスの熱を屋外に放出する重要な役割を担っています。しかし、周囲の気温が高すぎると放熱効率が低下し、冷媒の温度も下がりにくくなります。結果として、室内を冷やす能力が落ち、設定温度を維持するためにコンプレッサが長時間稼働し続けることになります。


つまり、室外機の遮熱対策を怠ると「運転効率の低下」「電気代コスト増」「機器の寿命短縮」という三重のデメリットが発生するのです。
3. 遮熱対策で得られるメリット
遮熱対策を怠った時のデメリットは前述のとおりですが、きちんと遮熱対策を行えば大きなメリットが生まれます。ここで遮熱対策のメリットについて見てみましょう。
● 冷房効率が向上し、電気代を削減
室外機の周囲温度を下げることで放熱効率が改善し、コンプレッサの稼働時間を短縮できます。その結果、電気代を削減できるケースがあります。
● 機器の負荷軽減で寿命延長
室外機が高温環境にさらされる時間が減ることで、内部のコンプレッサやファンモーターへの負担が軽減され、結果として故障リスクが低下し、機器の寿命が延びます。
● 安定した室内環境の維持
遮熱対策を行うことで、酷暑でもエアコンが安定して稼働し、室内温度のムラを減らせます。快適性が向上するのはもちろん、熱中症対策にもつながります。
● 環境負荷の軽減
電力消費を抑えることでCO₂排出量の削減にもつながり、省エネ・環境対策としても有効です。
遮熱対策は、冷房の効きを改善するだけでなく、長期的にコスト削減と環境保護の両面で大きな効果が期待できるのです。
4. 室外機の遮熱・断熱塗料
室外機の遮熱対策として、家庭用エアコンの場合は室外機に日除けカバーやシートをつけることが一般的ですが、設置場所やサイズを間違えると排熱を妨げてしまい、逆効果になる可能性があります。また屋外に設置するため、紫外線や雨風による劣化にも注意が必要です。そのため、業務用エアコンには塗るだけで効果を発揮し、耐久性にも優れた遮熱・断熱塗料の活用がおすすめです。
専用の塗料を室外機の表面や周辺に塗布することで、太陽光の赤外線や紫外線を反射・遮断し、表面温度の上昇を抑えられます。遮熱・断熱塗料の寿命は10年から15年ほどなので、一度塗装すれば長い間効果が持続する点からも、業務用エアコンの室外機の遮熱対策として最適です。
ここでは、特におすすめの2つの塗料を紹介します。
遮熱塗料「BOT SP」
BOT株式会社が国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究により開発した多機能遮熱塗料です。親水性塗膜により水でサッと汚れを洗い流すことができるため、汚れが付きにくく、塗装面が綺麗に保たれ遮熱効果も持続します。


断熱塗料「ヒートガード」
微弾性タイプの断熱フィラー。ヒートガードは断熱性能が非常に優れており、 一般的な他社製品と比べると約3倍の断熱効果があります。ヒートガードは中塗材のため、必ず上塗材でのコーティングが必要です。ヒートガードの上からBOT SPを塗装することで、熱しにくく冷めにくい鉄壁の遮熱・断熱を実現します。


ここまで夏場の暑さ対策中心にお伝えしてきましたが、断熱塗装は室内の熱が外に出ていくのを抑える効果もあるため、冬場の寒さ対策にも有効です。遮熱と断熱の両方を塗装することで、夏場の暑さ対策はもちろん、冬場の寒さ対策にも効果を発揮します。
5. 室外機の遮熱対策事例
遮熱・断熱塗装はどれほどの効果があるのか。実際に遮熱・断熱塗装を施工した事例をご紹介します。
● 導入事例① 埼玉県(モデル施設)
室外機本体/露出配管/周辺床面に遮熱断熱塗装を行いました。


● 導入事例② 福岡県
室外機本体に遮熱断熱塗装を行いました。


6. 室外機の遮熱・断熱塗装はネクシーズZEROにおまかせ!
空調機器の節電といえば、電源のON/OFFや設定温度の調整を行う施設が大半ではないでしょうか。室外機塗装であれば、塗るだけで空調の効率が改善され、長期間に渡って節電効果を見込めます。しかも遮熱断熱塗装であれば、夏の暑さだけでなく、冬の寒さにも同時に対策できます。
ネクシーズZEROでは無料で現地調査・相談を承っていますので、室外機の遮熱・断熱塗装についてご興味がありましたら、お気軽にネクシーズへご相談ください!
監修・執筆

株式会社(株)NEXYZ. 業務本部
最新の業務用設備を導入できる「ネクシーズZERO」サービスを販売しています。このコラムでは、業務用設備に関するさまざまな情報を発信していきます。