お問い合わせ

ログイン
キュービクル最新情報!トップランナー基準が変わります
キュービクル

キュービクル最新情報!
トップランナー基準が変わります

投稿: 2025年7月14日 最終更新: 2025年7月14日

2026年4月、変圧器(トランス)に関するトップランナー制度が新たな基準に基づいて見直されます。工場やビルで多くの電力を扱う事業者にとって、毎日24時間稼働するキュービクル(高圧受変電設備)に内蔵される変圧器の省エネ性能は、運用コストや環境対策に直結する重要な要素です。本コラムでは、「トップランナー制度」の基本から、2026年に適用される最新基準、変圧器更新時の注意点までをわかりやすく解説します。

1. トップランナー制度とは

「トップランナー制度」は、エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)に基づき、対象となる機器の中で最も高い性能を示す製品を基準として、将来的な製品全体の省エネ性能を引き上げることを目的とした制度です。1999年に自動車や家電製品などを対象に導入されて以来、エネルギーを大量消費する様々な特定機器に拡大されてきました。
トップランナー基準は、特定機器の中で「最も省エネ性能が優れている製品(トップランナー)」の性能値と同等以上に設定することで、他の製品の性能向上を促し、業界全体の省エネを推進する仕組みになっています。

トップランナー制度とは トップランナー制度とは

● 省エネ法と変圧器のトップランナー基準

変圧器は、2006年からトップランナー制度の対象となりました。以後、段階的にトップランナー基準の見直しが行われています。メーカー各社は基準が改定されるたび、基準を満たす高効率変圧器を開発・提供してきました。その結果、新しい変圧器ほどエネルギーロス(損失)が大幅に削減され、変圧器の省エネ技術は業界全体で年々向上しています。

2. 変圧器のトップランナー新基準

2026年度に施行予定の新しいトップランナー基準では、変圧器の省エネ性能に対してさらに厳しい水準が求められるようになります。この改正の背景には、カーボンニュートラルの実現に向けた国の政策や、事業活動における脱炭素の加速があります。
変圧器は電圧を変換する際に必ず利用される機器のため、トップランナー制度によって更なる高効率化を図ることで、無駄なエネルギー消費を減らし、企業の電力コスト削減とCO2排出量削減につながります。

変圧器のトップランナー新基準 変圧器のトップランナー新基準

対象範囲は、現在のトップランナー変圧器2014から変更はありません。一般的な工場・ビルで使用されているキュービクルに内蔵されている変圧器のほとんどが、この新基準の容量レンジに収まるため、キュービクル内で使われているほぼすべての変圧器が対象と言えるでしょう。
現在、日本国内で稼働している変圧器の約57%(約221万台)は、製造から20年が経過した2001年以前の旧式タイプと推定されます。更新推奨時期である20年を超えた旧式の変圧器から、新基準のトップランナー変圧器2026への置き換えが促進されることで、より大きな省エネ効果が期待されています。

3. 2026トップランナー変圧器のメリットとデメリット

最新のトップランナー基準に適合した変圧器を導入することは、多くのメリットをもたらしますが、同時にいくつかの注意点も存在します。以下に、それぞれの側面を整理します。

● メリット:省エネ効果UP

高効率設計により、無負荷損・負荷損ともに大きく低減されます。 これにより、変圧器の稼働中に発生するエネルギー損失を抑えることができ、電気料金の削減につながります。

メリット:省エネ効果率(推定)約26%UP! メリット:省エネ効果率(推定)約26%UP!

● デメリット:価格・サイズ・重量UP

各メーカーの見解では、新基準対応の変圧器は従来品に比べてサイズや重量が増える可能性が高いと報告されています。さらに価格帯も1.5倍~2.0倍に高騰する見込みです。

デメリット:価格・サイズ・重量UP デメリット:価格・サイズ・重量UP

4. 変圧器の現行モデルは2025年9月末までに出荷終了見込み

現行のトップランナー変圧器2014は、2025年9月末までに出荷が終了する見通しです。現行の設備をすぐに新基準対応の設備に切り替えなければならない法律上の義務はありませんが、古い変圧器ほど早めの更新をおすすめします。なぜなら変圧器が故障した場合、変圧器の改修だけではなく、箱(キュービクル)ごと更新が必要になる可能性があるからです。

変圧器の現行モデルは2025年9月末までに出荷終了見込み 変圧器の現行モデルは2025年9月末までに出荷終了見込み

トップランナー変圧器2026は現行品に比べてサイズ重量も増えるため、既存の基礎や箱(キュービクル)では規格が合わない可能性があります。変圧器の改修だけであれば数日で対応できますが、キュービクルをまるごと更新することになると、最低で3ヵ月必要です。突然の故障であわてないためにも、計画的なキュービクルの更新を検討しましょう。

5. キュービクルの更新・改修はネクシーズZEROにおまかせ

2026年に施行されるトップランナー変圧器の新基準は、省エネ性能のさらなる向上を求めるものであり、キュービクル設備を持つすべての事業者にとって無視できない制度です。電力損失の削減、環境配慮、企業価値向上など、多くのメリットを享受できる一方で、導入コストや工事の制約にも目を向ける必要があります。
ネクシーズZEROでは、キュービクルの更新・改修に必要なことをお客様の保安状況を元に、無料で調査・相談を承っています。設置しているキュービクルについて気になることがあれば、お気軽にネクシーズへご相談ください!

監修・執筆

株式会社NEXYZ. 業務本部

株式会社(株)NEXYZ. 業務本部

最新の業務用設備を導入できる「ネクシーズZERO」サービスを販売しています。このコラムでは、業務用設備に関するさまざまな情報を発信していきます。

コラム一覧